不意打ち
「あー、つっかーれた!」
半分怒鳴り気味に言いながら、ゼロスは割り当てられた部屋へ入るなりベッドへばふりと身を沈めた。
「今日はちょっときつかったなー」
その言葉に同意しながら装備品や双刀を外すロイドが、ふと動きを止めてゼロスの方をみると、装備も帯刀も額のバンダナでさえもそのままでウトウトとしかかっているのが見えた。
少し前までそんな警戒心のない事をしなかったゼロスのその姿は嬉しかったのだが、あのまま寝かせる訳にはいかなかった。
「ゼロス、そのまま寝るなよー? 服の汚れおとさねーと落ちなくなるぞ」
「うー……」
「うー、じゃねーよ。ほら!」
この宿に着く前に、遭遇してしまったモンスターの大群に、ファーストエイドで事足りる程度だったが二人は傷を受けていた。
破れた服を繕ったり、着いてしまった血を染み抜きしたりしなければならないのだ。
「こら。寝るなってば!」
「やぁーだ。俺様眠いー」
ベッドに転がるゼロスを起こそうと手を引くが、全身の力を抜いているのか、わざと抵抗しているのか動かない。
むきになって起こそうとするロイドとのじゃれ合いを心底楽しいと思いながら、ゼロスにはこのまま腕を引いてロイドを引き倒してやろうと、ちょっとした悪戯心が沸いていた。
その時のロイドの反応が想像できておもしろい。
起きろ、いやだ、の応酬の合間にクスリと笑って、いざ実行しようと伸びてきたロイドの腕を掴んだ時
「−−−っ?!」
ふっと近寄ってきたロイドの顔に驚いて一瞬動きを止めると、軽く唇を食まれる感覚がした。
「ロイドっ……!?」
キスされた、と自覚して、急速に赤くなった顔でがばりと跳ね起きると、にっこりとロイドが余裕の顔して笑っていた。
「起きたな?」
「ぁー……うん」
「よし。ほら服脱げよ、洗うから」
「あ、はい……」
言われたとおりモソモソと上着を脱いで手渡すと、ロイドは満足そうに備え付けのバスルームへと消えた。
その後ろ姿を見送って、ゼロスは座った姿勢からそのままバタリと横に倒れた。
(くっそー……やり返された……)
いつもはこっちが仕掛けて、ロイドがおたおたする様をみるのに、しかえされるとどうしたら良いのかわからなくなる自分がいて……
(あー! くそ!)
顔を真っ赤にしながら、枕に八つ当りにするゼロスであった。
夏夜お姉さまのサイトで4000hitをGETした際に書いて戴いたロイゼロ文で御座います。
「ロイドにちょっかいを出そうとしてやり返され、慌てるゼロス」
見事リクに答えて下さいましたvV
てか私よりも夏夜姉の方が日常っぽいですよー(笑)
萌え作品有難う御座いましたー!!
2005/9/9